そのお茶会が開かれる場所は、大分県臼杵市の臼杵の石の仏像がある麓。 一番古くから石像の近くでお土産屋さんをやっていた一族の方々が、臼杵焼を作っておられて、その器に蓮のお茶会のお料理が盛り付けられる。 臼杵焼は一度途絶えてしまったそうな。それを復活させて、今日に至る。 白磁に近い焼き物の土は、天草産だそうでなぜか先の旅とリンクした。
なんとも、おおらかな風景が広がる石仏群。40年以上前に家族と訪れた時は、屋根なんかなくて一番大きな石仏の首は地面に落ちていた。
が、綺麗に整備され、石仏群は大変簡単に拝観できるようになっていた。世界遺産に登録されてから、調査と保護が本格的になったらしい。
そして、麓の田園風景の中に蓮畑はある。
まさに極楽浄土とはこんな風景かもしれない。汚れた土の中からでも美しい花を咲かす、蓮。 根も茎も、実も好きだ。それら全てを使って、お茶会は開かれる。 Instagramで見つけてから、是非参加してみたくて、物凄くスケジュールがあったので参加できた。
食事に合わせたお茶が提供され、食事はどれも優しい味付けで、スイスイと胃袋の中に吸い込まれていく。 どのお料理も、細部にまで手を入れた美しい風景で、私の好みの味付けであった。これが本当にもてなすと言うことかもしれないと、お茶を飲みながらしみじみ思う。
最後に、蓮の蕾にお湯をかけてお花が開いたところで更にお湯を注いで、蓮のお茶を楽しむ。お茶といっても通常のお茶とは違い、蓮の雄蕊の味だろうが、なんだかすっきりしている。蓮を隅々まで楽しんだお茶会は終わった。また来年も訪れたいと伝えると、リピーターが多いそうだ。頷ける。
そして、臼杵焼の作家さんがお父さんで、お料理担当がお母様(説明を聞いているとお母さんというよりお母様な感じだった。)、プレス担当がお嬢さん(とてもセンスが良い)と言う構成で、なんとも微笑ましい。
作家のお父さん(お茶目なところがお父様ではない感じ、笑)は、なんでも作ってしまう、情熱家。
お母様、お嬢さんのリクエストに答えて、器は生まれてくる。
そして、こんなの出来たよーと、お嬢さんがinstagramで発表する。
マイペースなところが、とても好きだ。来年は友人も誘って訪れたい。
次の夏の思い出は、福岡編です。