不思議なご依頼がありました。
「〇〇運輸と申しますが、金継ぎ円家さんですか?」デザインの事務所と同じ電話番号なので、
最初は「もしもし」としか電話で返答しません。
「はい、金継ぎ円家です。」
「運送中の荷物の骨董のお皿が割れてしまって、それを修復できますか?」
「ご依頼の品の写真をメール添付していただければ、返答いたしますが。」
と言う事で、割れた器の写真がメールされてきました。
全て金継ぎできる磁器だったので、「金継ぎできますよ」と返答しました。
「すぐ見積もりしてもらえますか?いつできますか?」と、早く直して欲しい感じだったので、最低でも2ヶ月くらいはかかりますよと返答しました。
最初は5つの見積もりを依頼されましたが、最終的には3つの器になりました。
と、ここまでのいろんなやりとりを整理してみると、こんな感じです。
①運送中の荷物の骨董の食器を破損してしまった。
②弁償するとなるとかなりな金額になる。(保険で賄えないのかとの疑問はありましたが。)
③弁償するより安い方法はないのか。
④そういえば、金継ぎはどうだろう、受け取る側の人に提案してみよう。
⑤提案するには内容を把握して説明する必要がある。
で、HPで探していたら金継ぎ円家を見つけて問い合わせたようでした。
なんでうちだったんだろう?とはてなとなりつつも見積書を作成してメールしました。
急いでそうだったにもかかわらず、それ依頼しばらくなんの音沙汰もなかったので、
「まあ、見積もり見てやめたのかな。」と思っていたところに荷物がドーンと送られてきました。
「受け取る側の了解を得る前に、部下が器を送ってしまいまして届きましたか?」と、〇〇運輸の人から電話がありました。
「届いてますよー。」と返答しましたら、「了解をとりますので取り掛かるのを、もう少し待ってください。」
と。で、待つ事数十分(待ってはいませんけど、他の仕事してましたし。笑)
「了解を取り付けましたので、見積もり通りで進めてください。」
とここまできて、まだはてなが残ってまして。
「で、確認ですが御依頼主はどちらで、お支払いはどうなりますか?」
「すみません、そうでした。〇〇運輸〇〇支店が依頼主でお支払いも同じです。」
「では、その内容をメールで送ってもらえませんか?」
と、電話のやりとりが主になっていたので、きちんとした文章での確認をしておかないと、後々がこまるとおもいまして。
で、納期より少し遅れたくらいで3点は仕上がりました。
topの写真は大皿で直径30cくらいだったでしょうか。単純な割れかたですが、重くて。(笑)
そのほか2点は直径15cくらいの小鉢と、直径20cくらいの中皿です。
仕上がりはこんな感じ。金で蒔きました。
「できましたけど、どこに送れば良いでしょうか?」
「お支払いを確認してからの送りになりますが。」
「出来上がりを受け取り主に確認してもらいますので、写真をメールしてもらえませんか?」
写真をメールしたのですが、またしばらく音沙汰なしで。
うーん、どうしたものかと思っていたところにまた連絡が。
「〇〇運輸の〇〇です。移動しまして支店が変わりました。」
と、支払いにしばらくかかりやっと納品したのですが、送り先を聞いてうちを選んだ理由がわかりました。
うちから近かったのです。納品先が。
そして、〇〇運輸の〇〇さんからSNSで連絡がありました。
「受け取ってもらいました。大変喜んでいただきました。これを機会にご贔屓にさせてください。
ありがとうございました。」
して、ご贔屓にってそんなに輸送中に割れるんかいと、思わずツッコミを入れたくなりましたが、とりあえず
喜んでもらえて良かったなとホッとした次第です。
で、また今日別の運送会社から「輸送中に破損した器の修復の見積もりをお願いしたいのですが。」と、
お問い合わせのメールがあり、やっぱり結構割れるんだなと(笑)。
これ系のご依頼が、今後増えていくのでしょうか。見守っていてください。(笑)