値上げラッシュ

とても不穏なご時世で、不穏にさらに追い討ちをかけているのが値上げラッシュですね。

金継ぎの材料もウクライナ情勢にかかわらず、原料が年々上がっています。特に金の価格の上がりようはすごいです。(これは情勢に関わった結果も含まれますね。)

金継ぎを習いだした頃は、¥9,700くらいで1万円を切っていましたが、今は¥14,000超えになりました。(怖)

なので、金で蒔きますとどうしても代金が高くなってしまうんですね。

 

代金が高いで思い出しましたが、100円ショップの値上がりがニュースになっていました。

そもそも、値段ってどうやってつけられているかご存知ですか?

私の本業のアパレル業界では大体25%から30%前半が原価率とされてきました。

例えば、¥10,000の洋服ですと¥2,500〜¥3,000くらいが製作代金となります。これは生地代、パターン代、縫製代、輸送費などその他の手間も含んでです。下げ札とか、ハンガーとかいろいろありますね。

製作枚数が多いほど、1枚に乗ってくるコストは安くなっていきます。

 

なので、ファストファッションは安いんですね。(世界規模なので生産数が半端ないです。)

ですが、よく考えてみて下さい。では¥4,000の服はいくらでできているのでしょうか?

そう、¥1,000〜¥1,200ですね。

これどうでしょう?安すぎませんか?皆さんはこのコスト内で働きますか?

答えはおそらくノーではなく、考えられないでしょう。

 

では、百円ショップではどうでしょう?

これいくらでできているんだろう?どこで、だれが作っているんだろう?

と考えると、ちょっと怖くなりませんか?

そして、この価格にはロス分(廃棄する分)も含まれています。捨てても利益が出る金額で作っているのです。

(アパレルも同様です。)

 

SDGs(持続可能な社会)を社会で掲げていますが、日本は取り組む意識が弱い気がします。言葉は知っていても、コストのことなど考えが及ばないことになると、自分事として考えられないような・・・

そして、意識が薄いのは年配の世代のような気がします。若い世代は結構問題提起していたり、起業して解決の道を模索していますが(自分たちの未来に関わってくるので)、経済成長の真っ只中にいた今の世の中を築いた世代の方々は今ひとつ腰が重い感じがします。

 

値上げをきっかけに、ものを大切にする生活を少し考えてみませんか?

いる分だけ買うとか、今なくてもいいものは安くても買わないとか、1シーズンで着なくなる服は買わないなど、考え直して少しずつシフトチェンジしてみるきっかけにしませんか?

(誤解の無いように、安いものがよくないよ言っているわけではないですよ。どうやってできているんだろうとか、考えを巡らせるきっかけにしてみては?と言う事です。)

 

そんな、ことを思う今日この頃、金継ぎの理念はまさにSDGsなんですね。

と、まとまりました。(笑)