糊漆と麦漆

壊れた器を継ぐ時や、様々な補修の土台となる糊漆と麦漆。何が違うんでしょ。って思っていらっしゃる方多いですよね。私は糊漆は使わないんですけどね。

まず材料が違います。糊漆は米粒を糊状にしたものに生漆を混ぜたもので、麦漆は中力粉(強力粉を使う場合もあります。)に水を混ぜて練って、それに生漆を混ぜたものです。

どちらが強度的に強いのか調べた方がいて、面白かったのですが、麦漆が強度的にはダントツ強かったと出ていました。私的な考えですが古来のやり方は米を使った方でしょうね、縄文時代に米は伝来してましたし、麦は弥生時代に伝来したそうです。

 

では、金継ぎが始まったのはいつなんでしょう?それは室町時代、茶湯がもてはやされた頃に茶器の修復を景色と見立てて楽しんだのが始まりという事で、米、麦の伝来時期は関係ないくらい後でした。(笑)

これも詳しく調べてみないとわかりませんが、器によって変えていた可能性もありますね。

脆い陶器や、比較的強い磁器など器と言っても材料や焼き方によって全然違います。

趣のある器(陶器)は、低い温度で焼いている場合が多いので、脆く欠けやすい傾向にあります。

一方磁器は高温で焼いているので、大きくは欠けにくいですが、ガラス質の部分が欠けと、継いでも取れやすい傾向にあるようです。

 

日々器との対話、そして研究あるのみですね。

何が糊漆に向いているのか、追々研究してブログで報告したいと思います。